雨のち、あおいそら 2
私にとってのそらは、
永遠の片思いみたいな存在だった。
どんなに愛しくても、ママやパパにはかなわないし
なかなか会う機会もないし・・
それなのに今、かっぱを着て雨の中
二人でバスを待つ、予想外の展開・・・
バスに乗る。
雨はけっこう強く降っていて、雨粒で外の景色も見えない。
道も混んでる。そらは、眠ってしまった。
あ~これは、バスを降りたら抱っこしてタクシーだな。
ところがだ
バスを降りると、元気いっぱい
ゴーゴー!っと、走り出した。雨の中(笑)
バスターミナルから駅を通り抜ける。
これなら歩いて行けるかな?
かっぱのフードをぷいっと脱いでしまうそらに
私は傘を傾けながら、
駅から15分の道を、だっこ~!とも言わずに
歩き切った。
部屋のドアを開ける・・・
え?なんでそら、連れてきちゃったの?
どうするの?
りえが言う。そりゃそう・・
今まで、そらが私に特別なついてるとは思わなかったし。
この家に来たのだって1月以来だ。
果たしてそらは、自分が泊まりに来たとわかっているのだろうか
ママがあとで迎えに来るって思ってないかな?
ご飯を食べ、お風呂の用意をした。
自分が家に帰ると思っていたら
お風呂入らないって言うかもな・・・
そら~!お風呂入ろ~!
わ~い!
そらは大喜びでお風呂場の方へ来た。
初めて一緒に入る、
そらが普段どんなふうに入ってるのかさえ知らないのに。
シャワーを出して、
そら自分でお顔洗える?と聞くと
そらはいきなりシャワーの下へ行き頭から浴び始めた。
平気なのか!それなら・・
私はシャンプーをつけて
フェレットを洗う時の要領で、そらの頭を洗った(笑)
湯舟ではしゃぐ、そら。
お風呂から出たがらなくて困った。
泣いたら送って行けばいいと思っていたそらは
順調にお泊りのミッションをこなしていく
泣いてだっこして、泣き寝入りかなと思ったけど。
新しいおもちゃ出してあげるから
それで少し遊んだら、寝ようねって、言ってみた。
そして、少し遊んだ後に電気を消し、抱っこして
明日また起きたら、遊ぼうね
いっぱい遊ぼうね
話しかけながら、ふとんに下すと
そのまますっと眠った。
なにもかもが驚きだ。
そして、そらと一緒に眠る日がくるなんて
なんて幸せなんだろう。