エイプリルフールの長い1日 2
私は、そのまま病院に寄った。通り道なのだ。
明日電話して待たされるより、直接窓口で待つ方がいい。
そんな、本当に軽い気持ちで。
だが、待たされるまでもなく、すぐに、このまま
婦人科へ行くようにと言われた。
あの、保険証も診察券も持っていませんが?
婦人科で声をかける
ピッっと、熱を測られて、待つ。
歩いてくる医師が私に会釈をした。
名前を呼ばれ、中に入ると
さっきの会釈をしてくれた先生がいた。
検査の結果がよくなくて、急いで知らせたくて電話をくれていたと。
元々の検査結果を聞く予約日は、4/14だった。
まだあと2つ検査が必要だけど、手術をすることは決定だと言われた。
そして、ここでは対応できないので紹介状を書く。
紹介先の病院の開いてる時間に、来れるかと聞かれ
仕事のことを考えてる場合いじゃない、一刻も早い方がいいと言われ
私は翌日早退することを、決めた。
まさかね、検診受けてるのに
検診結果に何かがあるなんて、考えたこともなかった。
エコーを見ながら少し説明をされた。
本当にひどい人は、もうエコー見ただけでわかるから
そこまでは進行していないと。
ポツっと、ひとつ点が見えた、それがソレだと言われた。
子宮体癌。
子宮摘出。
摘出してしまえばそれで治るのだと、その時は前向きな想像しかしていなく
それよりも、私の中にど~んと広がっていたのは
仕事のことだった。
切除して退院までは、10日~2週間。
すぐに、退院したら働けるのか。
私は派遣社員だ。
月に15日以下の出勤になっても契約は続行されるのか。
派遣先で、そんな長い休業が認められるのか。
派遣先がなくなれば、派遣会社の健康保険は
使えなくなるのじゃないか。
疑問がぐるぐる。。
失いたくない、この仕事。
病気が治らないかもそれないとか
治療が長引くかもしれないとか
そんなことは何も想定せず、退院即仕事復帰が可能なのか
そればかり考えていた。
今の仕事が、本当に好き。
私は、人に何かを教えたり説明したりするのは好きだし。
このコールセンターで一緒に働くみんなも本当に好き。
でも、完全なオペレーターは喉がもたなくてできないし、
入力業務が続くのも、指や肘に支障がすぐ出るから事務職も無理。
いろんな業務がある今の仕事はホントに楽しくて。
誰かのトラブルやミスを調べて解決したりする
めんどうなことさえも、楽しんでやってる。
何よりも、この年で、他業種から転職して
今の仕事に就けてることが、奇跡なのだ。
だから、もし手放したら
もう、同じ条件で働けるところを探すのは難しいと思ってる。
神様に、釘をさされた。
そんなに大事な職場なのに
単純ミスを繰り返してしまってること
もうやめよう~って、何度思っても
洋服を爆買いしてしまうことも。。
いいかげん、目を覚ましてちゃんとしてよってことだ。
そらとの時間が終わって
これからは自分のこと、って思ったところに
え?これ?自分のことって
楽しみじゃなくて、戒めの方だったな。
あ~
これは、エイプリルフールじゃない、本当のことなんだな。。